りっとの部屋

映画とか、日常とか、ゲーム開発とかを綴ります。

よふかし。

それは唐突だった。

 

特に何かトリガーになるようなこともしていないが、突然夜に散歩に行きたくなった。

 

思えば、まともに運動もできていないし、外出自粛の影響を受けて、外出しても食料品を買いに行くために出るくらいだ。

 

政府曰く、散歩なら問題なく、人との距離を避ければ問題ないとのことなので、大体時計の針が12を回った頃、寝静まった家の玄関を開けた。

 

妙に気持ちが昂り、ドアを開けるのもゆっくりと開けて、家族にはバレない様に外へと出る。

 

まずはそのミッションをクリアし、物音を立てないようにドアを閉める。

 

たったこれだけなのに、僕は笑みをこらえきれない。

 

多分、それは修学旅行の夜に、トランプをして、消灯だと言われれば寝たふりをし、ドアが閉まったのを見計らってゾンビのように起き上がる。

 

そして、そこから先は禁断の恋バナ。

または男性諸君ならその延長戦、所謂下トークに会話を弾ませるはずだ。

 

まさにこれと似た感情だった。

確実につまらないわけがない。

 

旅先で、夜の街を徘徊するのと似たような感覚だろう。

この表現のほうが分かりやすかったかもしれないが。

 

そういった感情は間違いなく、運動していないが故に起きる現象だろう。

たまに懐かしくなって見てしまう映画や、なぜかふとした瞬間に食べたくなるジャンクフード。

 

体が無意識のうちにそろそろこれが欲しいと言ったのだろう。

加えて、謎の夜のテンション効果が増幅してくる。

 

当然楽しくなるはずだ。

 

この日の夜は、自分の学校区を一周グルっと周ってみた。

 

まだ桜が見ごろだったため、夜の桜を独占しながら歩くことができた。

 

人の目を気にすることなく、イヤホンから音楽を垂れ流し、少し飽きれば環境音に耳を傾ければいい。

 

それだけで違った世界を見ることができた。

 

また違った日は、今度は逆方向に行こうと思い、万博公園の方へと歩いていく。

 

基本的に、自転車での移動がメインだった僕にとって、隣駅から先は自転車でしか行けない未知の領域だった。

 

体力的にまだいける気がして、もう一駅先まで歩いてみることにした。

 

帰りは線路に向かって反対側の道を歩いてみて、新しい道を開拓してみた。

 

ここに繋がるのか~なんて思いながら、夜のほとんどいない街を楽しんだ。

 

少し話は逸れるが、僕自身実は夜にあまりなじみがなかった。

 

小学生の頃は、基本的に夜の8:30には寝て、朝に5:20に起きる。

そこから、5分後に父親のアラームが鳴り、アラームが鳴るあたりで家を出る。

 

基本的に、ここから7時過ぎくらいまで朝練をしていた。

この朝練が苦痛だった。

 

今となれば、いい思い出とは言えないけれど、これがなければ多分高校はおろか、小学生の頃ですら試合に出れてないかもしれない。

 

そんな教育もあって、僕が夜に起きることを許されていたのは大晦日のガキ使を見る時だった。

 

晦日は早めにそばを食べて、ガキ使が始まるくらいにはリビングで布団まで用意して、お菓子を食べながらみんなで見るという風習がある。

 

今でこそ若干弱まったが、いまだに続いているだけすごいものだと思う。

 

そういうこともあって、小学校も中学の修学旅行も、夜起きていいということに憧れしかなかった。

 

そう考えると、今の生活は堕落している。

 

寝る時間は大体2:00くらいになってしまってるし、起きる時間も、授業が始まったから8:00に無理やり起きるが、授業が無ければ10時に起きるなんてザラになってしまった。

 

そのせいか、お酒を飲んでもどうも寝れない。

夢を見ることも、一時期は頻繁に見ていたが、ここ最近全く見れていない。

というか覚えてないのだ。

 

大抵覚えているはずの夢も、何かによってかき消される。

 

そんなに堕落したのかと思ってしまった。

 

さて、話を夜の散歩に戻そう。

 

最近では、さらに大回りして帰るようになってしまった。

 

大体が、ラジコでオールナイトを聞いていたり、制作に詰まったときなんかは、好きな作品の曲を聴いてインスピレーションを沸かしたりしている。

 

だが、最近一つ気になることがでてきた。

 

夜中にスケボーをする若者が増えた。

それだけじゃなく、大声が響くようになった。

というか、今もなんか色々言ってるのだ。

 

スケボーは多分運動不足を補うためにやっているのだろうが、そこそこ音が響いて迷惑なのだ。

特にその場所が、最近開拓されている住宅街になっていて、いくら半分ほどできてなかったり、人がいないからってうるさくないか?と思う。

 

多分、スケボーしている若者は、間違いなくそんな思考は持っていないし、僕が直接言う権利もない。

直接的な実害は生まれてないから。

 

だが、騒音に関しては別だ。

部屋で作業していたらいやでも響いてくる。

 

この前なんて昼間に、同じマンションの住民が10分くらい三パターンくらいの悪口を連呼してて、多分夜の騒音に対して怒ってんだろうなと思っていた。

 

コロナの影響でこんなにも頭がやられてくるのかと思っていたら、無性に騒音を出してる人間に対してとてもむかついた。

 

高校とかは、野球というツールで勝負することができるから、ぶつかりたい衝動みたいなのは自然と解消されていた。

 

だが、今は家族以外の人とはほとんど話さないし、話してもチームメンバーと会議で話すくらい。

 

そう、今猛烈にぶつかりたい。

それも小手先でなんとかなるようなものじゃなく、体を動かしてぶつかりたい。

 

少し前までは、草野球で発散していたが、それもできなくなってしまった。

 

多分この時期、というか若いころにはこういった衝動が出るのかなと勝手に思っている。

 

よく性欲は10代から20代前半までで、そこからは落ち着くなんて耳にするけど、多分それと同じことなのかなと思う。

 

きっと尖った考え方も、年齢を重ねるごとにどんどん丸くなってきて、最終的に何も言わなくなるだろう。

 

ただただそんな気がする。

 

今、夜はいろんなものを見せてくれる。

 

脚本が進むのは基本夜だし、いろんな思いをさせてくるのは夜だ。

昼はそれを作り出すいわば食材。

 

そんな夜に魅せられて、今日もよふかしをしようとしている。

 

次は、その散歩中に思い出したことでも書き残せればと思う。

 

 

 

りっと。